hikari【短編集】
あぁ……
上手く言えない─
いつもは生徒の前に立って授業やっても、緊張なんてしないのに……
今はド緊張だ。
足も震えてくる始末。
また失敗だよ……
真剣な顔なんて、今出来てる自信は全くない。
一真……
助けてくれ。
「…陽翔、くん?」
ダメだ…
佳純が怪しんでる。
早く言わないと─
「あ、あのな……佳純。話ってのは、その〜…」
「……??」
『プロポーズ大作戦!
その3.
…あとは思い切りだ!
勢いに乗って、言ってやれ!』
どの勢いだよ……?
この作戦…
絶対間違ってる。
まぁ、当てにした俺もバカだったのかもしれない。
でも…
思い切りは肝心だ。
ええい!
こうなったら開き直ってやる!!
「佳純!!俺と……っ、けっ、けけけ、結婚して下さい!!」