hikari【短編集】



今……
佳純、言ったよな?



『はい』って……
言ったよな?



「佳純……っ!!」



嬉し過ぎて、俺は目の前の佳純を抱きしめた。



「……陽翔くん、ありがとう。」



佳純はそんな俺を抱きしめ返し、小さな声で呟いた。



何言ってんだよ……
お礼を言うのはこっちだ。



「佳純……顔、上げて?」



俺がそう言うと、佳純はゆっくりと顔を上げ、佳純より少し背の高い俺を見上げた。



この体制だと、佳純が自然と上目遣いになり、超可愛い。



「…愛してる。今も、これからも、ずっと。」



それだけ言って、俺は佳純の唇にそっとキスを落とした。









佳純………



俺はお前のことを一生守っていくし、幸せにする。



いつか増えるだろう家族のことも、もちろん。



だから………









「…あ!!!」



「え…なに?」



「指輪……買うの忘れた!」



「もう…陽翔くんったら。」






こんな俺でも……



許して欲しいな?









−END−












< 90 / 237 >

この作品をシェア

pagetop