hikari【短編集】
今……
佳純、言ったよな?
『はい』って……
言ったよな?
「佳純……っ!!」
嬉し過ぎて、俺は目の前の佳純を抱きしめた。
「……陽翔くん、ありがとう。」
佳純はそんな俺を抱きしめ返し、小さな声で呟いた。
何言ってんだよ……
お礼を言うのはこっちだ。
「佳純……顔、上げて?」
俺がそう言うと、佳純はゆっくりと顔を上げ、佳純より少し背の高い俺を見上げた。
この体制だと、佳純が自然と上目遣いになり、超可愛い。
「…愛してる。今も、これからも、ずっと。」
それだけ言って、俺は佳純の唇にそっとキスを落とした。
佳純………
俺はお前のことを一生守っていくし、幸せにする。
いつか増えるだろう家族のことも、もちろん。
だから………
「…あ!!!」
「え…なに?」
「指輪……買うの忘れた!」
「もう…陽翔くんったら。」
こんな俺でも……
許して欲しいな?
−END−