hikari【短編集】
教師とあろう者が、毎日フラフラ遊び歩いて……
自分の家に帰るより、いろんな女の家を泊まり歩くことの方が多かった。
それが今じゃ……
希以外の人には何の魅力も感じないし、仕事が終わればいつも直帰して、茉央の笑顔を見ることで癒される毎日。
随分違うよな……
何もかも、あの頃とは─
「…幸せそうね、一真。」
「うん。ここまで来るのに色々あったけどな…」
美久は少しぎこちない笑顔を浮かべ、俺を見た。
「まぁ…頑張りなさいよ、一真。奥さんと息子さんと、いつまでもお幸せにね。」
そう言うと、美久は用事があるからと俺に手を振って、どこかへ歩いて行った。
「…よくわかんない奴。あ!買い物行かなきゃ…」
美久と話してて、すっかり当初の目的を忘れていた。
俺は急いでその場を離れ、頼まれたものを買って家へと帰った。
まさか……
この後修羅場が待っているとは、予想もせずに──