hikari【短編集】



え…
どう、なってんの?



「の……ぞ、み?」



希が何故泣いているのか、俺には理由すらわからない。



検討もつかない。



とりあえず話を聞こうと、俺は希の肩に手を伸ばした。



すると……



「触らないで!!!」



急に大声を出され、驚いた俺はすぐさま手を引っ込める。



てか…
希、さっき何て言った?



『触らないで』…?



そのセリフ…
何気に傷付くんですけど─



「……希、一体どうしたんだよ?言わなきゃわかんないだろ?」



今すぐにでも落ち込みそうな勢いだが、そこには目を瞑るとして…



俺は希に問いかけた。



「綺麗な女の人……」



しばらく待つと、希は呟くようにそう言った。



綺麗な、女の人…?



「え…何それ?誰だよ?」



希の知り合いか?



「…誤魔化さないでよ!!」











< 95 / 237 >

この作品をシェア

pagetop