hikari【短編集】
もしかして……
中津、何か知ってる?
こいつの力を借りるのはあまり気が進まないが、ここは仕方ない。
希の携帯を閉じた後、俺は自分の携帯で中津に電話をかけた。
数コール待たされたが、中津は電話に出た。
『……なに〜?杉田。』
「中津……あのさ、」
『希のことだろ?』
俺が用件を伝える前に、中津は希の名前を口にした。
「え……」
『あのさ…杉田。俺がこんなこと聞くのも変な気がするけど…』
なんだよ…?
『お前……浮気してんの?』
……………
「は???」
いやいや…意味がわからない。
そもそも、なんで俺が浮気なんかしないといけないんだよ?
『その反応……やっぱり、希の勘違いだった?』
勘違い…?
今俺の頭の中は『?』でいっぱいだが、解決の糸口が見えてきた。