CHANGE〜警視庁特殊捜査課〜
そう言った宮下さんの表情が少し曇る。
今は大丈夫でも、いつ銃を発砲するかわからない。
…危険な状態には変わらない。
「SATと協力して、いつ突入するか考えてるところなんだが…」
松村さんがそう言った時
「お母さぁんっ!!!!!」
急に小さな子どもの叫び声が聞こえた。
―バンッ!!
それと同時に、一発の銃声。
「なんだ!?どうした!!」
咄嗟に松村さんが声を張り上げる。
すると、入口に一番近い場所にいたSATの1人が素早く答えた。
「中に妊婦の女性がいたみたいで、腹部を押さえてしゃがみこんでいます!
その女性の子どもが叫んだ時に男が天井に発砲!
怪我人はいません!」
怪我人はいない。
その言葉に皆が安心する。
…だけど
「よりによって、妊婦か…」
そんな矢崎教官の声が静かに響いた。