【ホラコン】兎心の宝箱SP
良質なアラビカ種の豆で入れたコーヒーが彼女の鼻腔をくすぐる。
「ほう……、アル。コーヒーを入れるのが様になってきたな」
「あっ! ありがとう御座います、博士!」
答えたのは、傍らに佇むロボット。
ビア樽に手と足を取ってつけたような形状をしており、嬉しそうにその手で頭をポリポリとかいている。
世界最高のマッドサイエンティストとは聞いていたがここまでとは……。
普通に受け答えをするロボットがいるなど、中村参事官は公安からも、全く持って聞いていなかった。
思わず突っ込みたくはなったが、自身の責務を思い出し美味しそうにコーヒーを啜る彼女に視線をもどした。