【ホラコン】兎心の宝箱SP
目の前にいる女性は、肩口で切りそろえた髪を鬱陶しそうにかきあげながら、テーブルに置かれたクッキーを手にとり、口に放り込む。
美しいと言う言葉は、彼女の為にあるのだろう。
均整のとれた面立ちと、白衣を着ていても隠しきれないプロポーションは、意識していなくても中村を魅了しようと襲いかかってくる。
だが、その美貌さえ、彼女がどういう人物かを知れば、悪魔のそれとしか見えなくなる。
「すみません、博士。それで、協力して頂けますか?」
「うん? 何の話しだったかな?」
「いえ、ですから博士に興味深いと言って頂けた開発の協力を……」