【ホラコン】兎心の宝箱SP
「で、ここが幽霊のでる場所か?」
二階のホール部分、月明かりが差し込む場所に二人はたどり着いた。
四階建てのこの工場は、天井の一部をガラス張りにしており、ホールに関しては直接二階まで日の差し込む構造になっていた。
「えぇ、ここともう一カ所に幽霊がでるらしいです」
おどおどと博士の背中に隠れるようにして、周囲を伺いながら答える。
幽霊騒ぎがあってからというもの、工場の職員は全て定時を迎える前に帰っている。
したがって、工場全体の照明はついておらず、二人は手持ちの懐中電灯の明かりだけでここまで歩いてきた。