Candy
「ッ!??」
グイッ!!
と、勢いよく布団の中に引きずり込まれる。
「んーむにゃむにゃ。あったけー抱き枕だー」
すぐ目の前で、目を閉じたまま喋る康平。
…え?
おい………
あたし今どうなってんだ…?
え?こいつ寝てる?
「……なーんちゃって」
え?
今度はばっちり目が開いてる。
え?なにこれ?え?
「………。」
「あれ?放心状態?慣れとらんのか?おーい」
「………。」
「あ、もしかして嬉しかったんか?もっとしたるわ!ぎゅーっ!」
相原康平がそう言ったところで、飛んでいた意識がやっと戻ってきた。
な、ななななこいつ今なんて!!??
「そそそそんなんわけねーだろッ!!!離せよ!!!!」
「あら、口悪いわねー。それにしてもそんな真っ赤な顔で言われてもなぁー」
アタシがもがけばもがくほど、ぎゅっと相原の胸に押さえ込まれる。
「もっと放したくなくなるっちゅーの」
胸に押さえつけられてるあたしの耳に、上から降ってくる康平の声は完全に馬鹿にするように笑ってる。
────な…ん…だ…こ、い、つ………