Candy
-康平-
『───自惚れんな!!こんの…クソ女タラシ野郎!!!』
さっきの生意気で積極的でがさつで乱暴で口悪い奴の言葉が、ずっと頭ん中で回ってる。
…あの顔、あの声。
間違いねぇ!!
アイツ、懐かしきあの蘭ちゃん――杉山蘭だ!!
同じ高校だったんか…。
入学して二ヶ月ちょい経つのに、全く気付かんかった。
この学校、やたら生徒多いしなあ…。
蘭とは、幼稚園時代ずっと一緒におった。
幼稚園の頃、いじめられてばっかの俺のことを、蘭はいつも助けてくれた。