Candy
───思い出すとまた怒りが沸き起こってくる。
俺の彼女の怜奈。
いや、今はもう元彼女か…
あいつ、怜奈に告白したらしい。
怜奈は中学時代から風村に惚れとって、でもそのとき風村には彼女がおって…忘れたいがためにちょっと気になっとった俺と付き合ったとか。
俺は一目惚れだったってのに……
初めて自分から告った女なのに…
あー悲しい。
ほんで結局、風村は怜奈に惚れて彼女と別れ、怜奈もまだ忘れられんくて両想いに。
今朝怜奈は全てを打ち明け、別れようと言ってきた。
風村も実は結構前から怜奈のこと好きだったらしいけど、俺がおったから遠慮しとったらしい。
ようするにタイミングが合わんかったんだよな。
風村と怜奈の。
まぁそうして結局、遠回りして結ばれたわけだ。
最近よそよそしいなとは思っとったから、もう俺に気が無いのもうすうす気付いとった。
だから、潔く身を引こうと思い、別れたけど……
風村の顔を見た途端、頭ん中で何かがブチ切れてしまいケンカに。
…俺らしくもねぇ……
今まで別れを切り出されたって、何も思わんかったのに…
──まさか…本気だった?
…はっ、アホくさ。
だいたい今更気付いても遅いっちゅーの。
あ〜あ〜アホらし…