Candy
A組を覗くと、一人の女子が机に向かって何か書いていた。
あ、まだ誰か残ってたんか。
反対側の階段から来たから気付かんかった…。
俺の視線に気付いたのか、その女子は顔をあげ、驚いた様な顔でこっちを見た。
「…相原康平?」
うわっ!
何でいきなり名前!?
俺のこと知ってる!?
…ってこの子、朝蘭と俺見てた子やん!
「そうだけどそっちは?」
「あ、あたし新城みつき!ごめんね、フルネで呼び捨てって失礼だったね!!」
みつきは困った様な笑顔で、入り口に立つ俺の方へと近付いてきた。