Candy
「や…やめろよ!!!」
グイッと腕を引っ張り、奏の手の中から抜き出した。
うわっ、やべえ……
勢いでやっちまったけど…………
奏の顔をチラリと窺うと、泣きそうな顔であたしの名前を呟き、自分のクラスへ走って戻って行った。
なんか、悪いことしちまったな………。
やりすぎたかも…
「よぉ、女にモテるって複雑で大変ですなぁ」
!?
こっ…この声は!!!
勢いよくバッと振り返ると、やっぱりアイツが立っていた。
「ま、お前が男にモテたらそれはそれで問題だけどな!」
「…こんの嫌味野郎〜」
あたしが思いっきり睨むにも関わらず、今だ康平は面白そうににやにやしてる。