Candy




「や…やめろよ!!!」



グイッと腕を引っ張り、奏の手の中から抜き出した。



うわっ、やべえ……
勢いでやっちまったけど…………



奏の顔をチラリと窺うと、泣きそうな顔であたしの名前を呟き、自分のクラスへ走って戻って行った。



なんか、悪いことしちまったな………。


やりすぎたかも…



「よぉ、女にモテるって複雑で大変ですなぁ」



!?
こっ…この声は!!!



勢いよくバッと振り返ると、やっぱりアイツが立っていた。



「ま、お前が男にモテたらそれはそれで問題だけどな!」



「…こんの嫌味野郎〜」



あたしが思いっきり睨むにも関わらず、今だ康平は面白そうににやにやしてる。







< 47 / 57 >

この作品をシェア

pagetop