Candy




「お?」



康平はあたしの右腕に提げられている学ランを指差した。



「それ、俺の?」



あ…そうだった。
返しに行くんだった。


みつきは、多分相原くんって言ってたけど、こいつで間違いない。


上ワイシャツしか着てないし。



「…ハイ」



「おっ、さんきゅー」



学ランを渡すと早速着はじめた。


てか、こういうときって何て言えばいいんだ?


ありがとう、もおかしいだろ?


大体何であたしに被せてあったんだ?


あたしが寒そうだったから?
そしたらお礼言うべきか?
いやでも、まさかなぁ…。



まぁいいや、教室戻ろう!!



「じゃ、渡したからな!!」



教室に向けて足を運ぼうとすると、



「あ」



…まだなんか言うことあんのか?





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