Candy
「俺を探しとったんやろ?俺、I組──」
「その情報いらんわ。じゃ」
「ちょ、ちょいまち!」
「…なんだよもう」
「寝顔……涎垂らして可愛かったわ」
面倒臭そうに振り返るあたしに、にやにやしながら言い放つ。
「あ!?」
「ははっ、真っ赤!!じゃあな〜!」
嘘!!
涎!?
てか、寝顔見られてたのかよ!!!
まあ来たなら見られてもしょうがないけど…
大体何しに来たんだよ!!!
あ〜寝顔見られるとかマジ最悪。
こんなでも一応…女だからさ?
ちょっとは気にするわけよ。
まあべつに…アイツに見られたからってどうってことねーよな!!
はぁ。
羞恥で顔の熱が引かないまま教室へ戻ると、ニヤけ顔の二人が待っていた。
「どおだった〜??蘭チャン〜」
「どおって…あんたの言う通り、合ってたよ」
「顔赤いねぇ、蘭チャン?」
「あっ、あか、赤くねーし!!!」
「ふうん、そおですかあ?」
何だよ二人して!!!
蘭チャン蘭チャンって、きしょいなもう!!
みつきまで千夏と一緒にからかいやがって。
「約束だからな、おごれよな」
睨みながら言うあたしに、二人は笑いながら頷いている。
おぼえとけよ。
たっけーの買わせたるかんなコノヤロ!!!