Candy




「俺を探しとったんやろ?俺、I組──」



「その情報いらんわ。じゃ」



「ちょ、ちょいまち!」



「…なんだよもう」



「寝顔……涎垂らして可愛かったわ」




面倒臭そうに振り返るあたしに、にやにやしながら言い放つ。


「あ!?」



「ははっ、真っ赤!!じゃあな〜!」



嘘!!
涎!?

てか、寝顔見られてたのかよ!!!

まあ来たなら見られてもしょうがないけど…


大体何しに来たんだよ!!!



あ〜寝顔見られるとかマジ最悪。
こんなでも一応…女だからさ?
ちょっとは気にするわけよ。


まあべつに…アイツに見られたからってどうってことねーよな!!

はぁ。



羞恥で顔の熱が引かないまま教室へ戻ると、ニヤけ顔の二人が待っていた。



「どおだった〜??蘭チャン〜」



「どおって…あんたの言う通り、合ってたよ」



「顔赤いねぇ、蘭チャン?」



「あっ、あか、赤くねーし!!!」



「ふうん、そおですかあ?」



何だよ二人して!!!
蘭チャン蘭チャンって、きしょいなもう!!


みつきまで千夏と一緒にからかいやがって。



「約束だからな、おごれよな」



睨みながら言うあたしに、二人は笑いながら頷いている。



おぼえとけよ。


たっけーの買わせたるかんなコノヤロ!!!





< 49 / 57 >

この作品をシェア

pagetop