Candy




……まさか、
まさか、なぁ………
いや、まさかだ。
そりゃないだろ、泣き虫こうちゃんがか?
いや、ないない
ないぞ。いや、でも……
何で昔みたいに、とか………



……まさかな。



「………こうちゃん?」



「おう!久しぶり、蘭ちゃん」




ニッコリと笑顔で、あっさり認める相原。



……うっそ。

マジでか………



「昔の蘭は俺のヒーロ」


「いやないない。ないわ」



「へ?」



「相原がこうちゃんとか…ないわ。ぜってー信じないかんな」


「は!?」



「あのこうちゃんがこんな奴になるわけねぇ。そーだ絶対ちがう」



「…往生際が悪いなぁ」



「…信じらんねーだろ。信じねーからな!バカヤロー!!」



「あっ蘭ちゃん!?」



「蘭ちゃんって呼ぶなボケー!!」




あたしは叫びながら、雨の中家まで走り続けた。




あのこうちゃんが、相原康平?



信じねー




信じたくねー!!!!!!





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