魔女さんと青春してる僕ら


 ここだ!
 そう確信してドアを開くと、そこには見たことのない煙で充満していた。
 日本語でも、英語でも無い言語。実験器具とは、似ても似つかない奇妙なもの。よく分からない図形が描かれた紙や床。
 部屋の中は書類や器具で、足の踏み場が極端に少なかった。

 彼女は部屋の真ん中で、本や書類、器具に押しつぶされ、もがいていた。
 僕は急いで彼女に駆け寄り、首に手を当て話しかけた。

「花沢さん! 意識ありますね?」

「う、ん」

「どかしますから、動かないで下さい」

 何とか意識があるようだったので、急いで書類や器具を退かしにかかった。
 意外と重さがあるものばかりで、男の僕が一つひとつ苦労して退かさなければいけなかった。


 何とか、30分くらいかけて器具や書類を退かした。
 花沢さんの様子は、少し疲れ果てているくらいで、特に怪我はしていないようだった。


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