魔女さんと青春してる僕ら
「お疲れ様です。花沢さん」
「ありが、とう。ごめんなさい。お騒がせした上に、助けて、もらって……ん?」
……ん?
花沢さんは、何故か言葉に詰まり、僕の顔をまじまじと見つめた。不思議な色の瞳が、まるで僕の中身を覗くかのように。
「ツバキ、くん」
「はい」
「あなた。あの爆発音が、聞こえたの?」
「ええ。だから来たんじゃないですか!」
何を当たり前のことを言っているんだろうか。そうでなければ、僕は勝手に他人の家に入るまねはしない。
そうはっきりと答えると、花沢さんの表情は途端に真っ青になった。
「……うそ。何で、聞こえたの? 聞こえるはず無いのに。私が、結界を張っていたから、分かるはずが」
「何おかしなこと言ってるんですか? はっきり爆発音は聞こえましたよ? ドッドッカーンって」
あれ?
今、花沢さんはなんて言った?