魔女さんと青春してる僕ら


 放課後。夕飯を考えたら、メールをする。メイカさんにだ。彼女は、意外と好き嫌いがあるので、事前に聞いておくことにした。
 こういう時こそ魔法が無いかな。そう思ったが、彼女曰わく「まだ出来ない」らしい。僕に適性はあるが、それは修行してからだということだ。
 5分もしないうちに、メールは返ってきた。

「何々? 『今日は会議があるので、夕飯は要りません。ありがとう』」

 少し期待して開けたら、今日はお断りのメールだった。どうやら、魔女には会議に出ないといけない時があるようだ。
 ちぇっ。舌打ちをしながら、僕はスーパーへと足を進めた。もう既に浮かんでいた月が、心なしかいつもより赤く見えた。


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