最愛 1st…過去
□第一章□最愛 現実……
現在…… side柚月
「ママぁ~っ!」
「なぁに?優莉(ユウリ)。」
「あれぇなぁに?」
「ん?あぁ、あれはね、ウサギさんよ。」
最近、娘の優莉がいろんなものに興味を持ち始めた。
その姿さえも愛しくて、たまに優莉の行動を見ていると、昔のあなたを思い出す。
幼い頃から私はあなたを見ていたから、どこか似ている部分を探してしまう。
あなたは今、笑っているかしら?
私はね、今すごく笑ってる。
あなたからの最後の宝物がいるから………
私は幸せよ………
だからお願い、快斗………
どうかあなたも幸せでいて………
「優莉、もう帰ろっか?優莉の大好きな怜衣(レイ)が待ってるかもしれないから。」
「れぇーにあうぅ!」
「じゃ行こっか。」
今日も私は愛しい宝物の手を握り、歩き出す………