幸せという病気
「頭で考えてる事と心が思う事・・・結構、自分の中で距離があったりするんだよな・・・」

「・・・」

「妹が病気で、友達が死んだ・・・すみれと付き合いながらも、どっかでビクビクして・・・」

「はい・・・てゆうか武さん・・・」

「ん?」

「・・・二人が付き合った事知りませんでしたけ
ど・・・」

「・・・」

「・・・言ってなかったっけ・・・」

「・・・まったく・・・」

「・・・まぁっ・・・あれだ!!遥に伝えといてくれ」

「・・・はい」



二人は笑い合いながら、話を終えた。

そして遥の病室に戻った竜司は、武達の事を伝える。


「えーっ!!」

「遥、声でかい!!」

「付き合ったの!?」

「・・・みたいだよ??」

「・・・そっか・・・よかった・・・」


兄を思いながら、遥が嬉しそうな顔をすると、竜司はベッドに腰掛け、今日の事を話し始めた。


「遥・・・ごめんな・・・あの時一緒に泣いてあげれなくて」

「ん~ん・・・」


遥は穏やかな顔で首を振った。


「何にも解ってあげれない・・・一緒にいてあげてるつもりだった。けど、結局一人にさせてたんだよな・・・」

「・・・本当は充分過ぎる程なんだ・・・わがままなんだよ私が・・・でも竜司やお兄ちゃんには甘えちゃう・・・わかってほしくて・・・子供でごめんね・・・?」

「ちゃんと傍にいるから・・・今日はゆっくり寝な」

「うん」


遥は、竜司に手を繋がれながら一日を終えた。

そして竜司は、遥が眠った後も暗い病院で泣き続けていた・・・。
< 122 / 439 >

この作品をシェア

pagetop