幸せという病気



「私は・・・・・・死んじゃうから・・・」



そして武は、涙声の遥の頭をそっと撫でた。



「・・・竜司には・・・ほんと感謝してるんだぁ・・・私なんかを・・・」



自分の吐いた言葉が感情を揺さぶり、遥の頬を真っ直ぐに涙が伝う。



「私なんかをさ・・・好きになってくれて・・・」



「・・・おまえだから好きになったんじゃねぇのか?」



慰めるように穏やかな声で武が話すと、遥は涙がこぼれないように少し上を向いて話す。






「・・・最後に恋出来てよかった・・・抜けてるけど優しくて、大事に想ってくれて・・・今日は・・・楽しかったなぁ・・・こんな毎日が続けばいいのに・・・」






「・・・」









「・・・こんな幸せが毎日、毎日・・・変わらず続けばいいのにな・・・」












「・・・あぁ」
































「死ぬのは・・・幸せの終わりって事なんだね・・・」










「・・・おまえ・・・俺の妹でよかったな」




「うん・・・でも、なんで?」




「・・・なんとなくだよ」




「・・・変なの・・・」




「もう寝ろ?」




「・・・うん」




二人はそのまま、「おやすみ」と声を掛け合い部屋へと戻る。

そしてその頃竜司は、遥の部屋の外に腰を下ろして待っていた。

遥が部屋の前に戻ってくると、「おかえり」と声を掛け、そのまま遥を連れて予約しておいた混浴の露天風呂へと向かう。
< 139 / 439 >

この作品をシェア

pagetop