幸せという病気
三日後、遥の病室には優が来ていた。


「久しぶりだね、優。突然どぉしたの?」


寝ていた体を起こし、笑顔で遥が話し掛ける。


「遥・・・大丈夫なの?」

「うんっ。優、最近何してるの?みんな元気?」

「ん・・・別に何もしてないかな・・・みんなは・・・」


優は遥の知っている元気な優では無かった・・・。

そして遥は、それを感じ取りながら伺う。


「・・・学校は・・・行ってるの?」

「いいじゃんそんな事・・・」


遥の質問に、そう言いながらひきつった顔で優は顔を逸らす。


「何か・・・あった?」


心配気に遥が優にそう聞くと、優は気力の無い声で聞き返した。


「・・・どうして・・・遥はそんな風に普通でいられるの・・・?」

「えっ?」

「私は・・・何の為に生きてるかわかんない・・・家にももう・・・帰れないよ・・・」


そう言い、優は突然泣き出す。

そしてポケットから小さな袋を取り出し、遥に手渡すと、ベッドの横に座り込んだ。


「もう・・・これが無いと生きていけないの・・・」


「優・・・これ・・・」


優はクスリ漬けになっていた。


「たくさんの人と寝た・・・それでいっぱいお金貰って・・・その場その場で淋しいのを紛らわせた・・・そうしないと・・・自分がいなくなる気がしたから・・・誰でもよかった・・・その時だけは私を求めてくれるから・・・その時だけしか必要とされてる気がしなかった・・・それでも、淋しくて・・・いなくなりそうで・・・だからこれに手を出して・・・」


遥は突然の事に驚きながら聞く。


「・・・彼氏は・・・」

「これのせいでね?・・・植物だよ・・・」

「・・・なんで?どぉして!?」
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