幸せという病気
「・・・でも・・・いつまでも忘れられねぇんだ・・・お前達のあの時の顔が・・・お父さんって呼ぶ笑った顔がよ・・・だからなんて言われても・・・嫌われても嫌われても・・・お前達が大事で仕方がねぇ・・・」








遥は、我慢しきれず涙を流す。









「・・・おまえは・・・いい子だなぁ・・・」


思い返すように、父親は遥の髪を撫でた。


「おまえは人一倍頑張る子だった・・・武と違って学校も休まず・・・よく頑張ったなぁ・・・」


そして遥は目を瞑り、泣きながら首を横に振る。


「・・・勉強も頑張るし、家事も手伝って・・・・・・こんないい子が・・・」











「・・・」

















「どうして・・・死ななきゃいけない・・・」













父親もまた、我慢しきれず拳を握り締め、悔やむように涙を流した。




「・・・すまない・・・遥・・・今まで何もしてやれなかった・・・すまん・・・」






遥は、父親の泣く姿を初めて見た。








自分の為に、震えながら泣いている姿を・・・。








そしてそんな父親の顔を見て、片手で自分の涙を拭いながら話し始める。
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