幸せという病気
第12章【大好き】
第十二章  大好き


「ねぇねぇ竜司~。香樹の担任の先生、またすみれさんだってぇ~」

「そっかぁよかったじゃん」


病室では、遥と竜司がいつものように話をしていた。


「家庭訪問とか、家庭訪問になんないよね」

「なんで?」

「だってすみれさん結構家来てるし。今更・・・ねぇ・・・?」

「あ、そっか。」

「あぁ~なんかもう病室はやだよぉ・・・」

「我慢しな?」

「・・・はぁい」


遥が力無く返事をすると、竜司は思い出したかのように質問する。

「そう言えばさ、なんであの時、遥も外走ってたの?」

「ん?」

「ほら、別れるってなった時」

「・・・バカ兄貴がダイエットの為に走って来いって」

「・・・あの人何考えてるかさっぱりだな・・・」

「まぁね。ん!このチョコおいしぃ」

「でしょ?これね、俺も好き」

「それにしても人騒がせだよね、お兄ちゃん」

「・・・でもちょっと甘すぎだな」

「聞いてる?」

「うんうん。人を探せって?」

「聞いてないよね・・・人騒がせ!」

「あぁあぁ。人騒がせね。てか、今日、武さんは?」

「日曜だし、すみれさんと一緒なんじゃない?」



その頃、武は遥の考え通り、すみれと会っていた。


「ねぇホント大丈夫?武・・・体」

「大丈夫、大丈夫。何?心配した?」

「当たり前じゃん!」

すみれが武の体を心配すると、武はすみれの買ったチョコを手に取る。

「・・・そんな怒んなくていいじゃん。それにしてもこのチョコ旨ぇなぁ。何?新発売?これ」

「あっ。それ私の!頂きますは!?」

「・・・頂きます・・・やっぱり先生だなおまえ・・・」

「ってか病院行かなくていいの?」

「いいよ。めんどくせぇし」

「でもさぁ・・・」

「それよりおまえ、香樹を今年も頼むよ?大丈夫ぅ?」

「私が担任なら大丈夫っ!」

「な~にを・・・どうしたらいいですか武さん!とか言ってたくせにさぁ」

「・・・まぁ・・・香樹くんの心は掴んだ!」

「香樹だけか・・・」

「何かぁ?」

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