幸せという病気









「・・・お願いだから・・・死なないで・・・」












今日の三日月は流れる雲に隠され、それでも足元を照らしたいと、ただただ黙って天に佇む。





見下すような目線も、何かを欲する望みも無い。





なるべく優しく・・・。




なるべく刺激を与えぬよう・・・。





身に染み、そのまま形を変えず流れていく、その柔らかな光は、





涙を綺麗に描ききれず、力になれぬ事を悔やみながら、








ゆっくりと強烈な光に負け、消えていった。


< 186 / 439 >

この作品をシェア

pagetop