幸せという病気
「・・・お願いだから・・・死なないで・・・」
今日の三日月は流れる雲に隠され、それでも足元を照らしたいと、ただただ黙って天に佇む。
見下すような目線も、何かを欲する望みも無い。
なるべく優しく・・・。
なるべく刺激を与えぬよう・・・。
身に染み、そのまま形を変えず流れていく、その柔らかな光は、
涙を綺麗に描ききれず、力になれぬ事を悔やみながら、
ゆっくりと強烈な光に負け、消えていった。