幸せという病気
「・・・もっと早くに出逢ってたら・・・」

「・・・ん?」

「・・・私がこんなにずるくなかったら・・・」

「・・・」

「・・・こんな時・・・ギュってしてくれた・・・?」

「・・・うん・・・」

「・・・ごめん・・・変な事・・・」

「・・・ずるいのは・・・俺だから」

「・・・」

「・・・ギュッてしてやれないのは・・・俺のずるさだから・・・」










「・・・もしもし?」

「武だけど・・・」

「うん・・・」

「今、家の前なんだ」

「家って・・・」

「先生の家の前だよ?」

「え・・・」

「会いたい」








「・・・これが俺の幸せだ・・・」

「うん・・・」

「・・・」

「・・・無理しないで?・・・」








「私が病気になったら・・・毎日こうしてほしい」

「あぁ」

「だったら怖くない」

「先生・・・」

「うん・・・」

「大好きだ」










「・・・見つけてよ」

「え?」

「勝手に遠くに行っちゃうから悪いんだからね・・・?」

「・・・おい・・・」

「私だって、寂しくなるよ・・・」


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