幸せという病気
第13章【木下 竜司】
第十三章 木下 竜司



「なぁ、竜司~」

「はい?」

「なんで学校って休み時間があるか知ってる?」

武は昼下がりの公園で竜司と話していた。

「さぁ・・・疲れちゃうからですかね?」

「いや。学校って何を学ぶんだ?」

「そりゃぁ・・・勉強ですよ」

「休み時間ってのはさぁ、人間関係を勉強する時間なんだよ」

「・・・人間関係?」

「この歳になると、何を習ったかより、休み時間に何をして遊んだかとかさぁ、そんな事しか覚えてねぇんだよな」

「・・・そうですねぇ・・・」

「でも・・・それが一番の勉強だったんじゃねぇのかなって思うんだ」

「はい」

「・・・その時は気付きもしないんだけど・・・歳食ったなぁ~」

「まだ若いじゃないですか」

「・・・遥はもう・・・起きないんかな」

「・・・そんな事ないですよ・・・」

「メール読んだか?」

「は?」

「ほら、この前俺メールしたじゃん」

「え・・・あっ!忘れてた!!」

「・・・こいつの方がよっぽどガサツじゃねぇか・・・」

「・・・この前・・・すごい頭痛がして・・・それで見るの忘れてたんですよ・・・」

「頭痛?」

「はい。まぁ、あれから無いんで・・・」

「まぁ、読んどけよ」

「あっ、はい・・・あの~・・・武さん・・・」

「ん?」

「遥は今・・・どんな夢見てるんですかね」

「・・・さぁなぁ」


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