幸せという病気
一週間後。
「詩織ぃ、元気出しなよぉ」
「うん・・・でもなんかまだ信じらんない」
「それにしても最低じゃない?詩織の気持ち知ってて・・・」
「仕方ないよ・・・好きになったのは私だし・・・」
「でもさぁ」
「・・・これも経験だよっ!」
「・・・強がらなくていいよ?」
「・・・強がってなぃ」
「ホントに?」
「・・・強がりに見える?」
「・・・うん」
「・・・じゃあまだ好きなんだね・・・私」
「詩織・・・」
「・・・もぉ・・・ダメだぁ私っ・・・あんな事されても・・・やっぱ嘘つけなぃ・・・」
「うん」
「恋愛は・・・難しいね」
「そうだねっ。よしよし・・・」
一方、竜司は・・・。
「おい竜司~」
「あ?」
「何?バイク買ったの?」
「あぁ。悪い?」
「いやいや。またモテようと思ってぇ」
「おめぇと違ぇよ」
竜司が、新しく買ったバイクの手入れをしていると、乗り出すように男が話し掛ける。
「で、どうなんだ?あれから詩織ちゃん」
「いや連絡取ってねぇけど」
「悪かったな、なんか」
「なんでお前が謝んだよ」
「だってよぉ・・・詩織ちゃん、なんか傷付けたみてぇだし・・・」
「俺が傷付けたんだ。お前は別に関係ねぇよ」
「・・・でもよぉ」
「お前、ずっと気に入ってたんだろ?詩織の事」
「・・・まぁ・・・可愛いしな」
「じゃあ、ちゃんと好きだって言えよ」
「・・・言ったけどよぉ・・・何も言ってくんなかった」
「・・・そりゃ・・・あんな状況じゃぁな・・・番号教えてやっから、自分で電話なりメールなりしてアピールしろ?」
「あぁ・・・悪りぃな、竜司・・・でもお前・・・」
「・・・なんだよ」
「・・・本当に詩織ちゃんの事なんとも・・・」
「・・・なんとも思ってねぇって」
「そっか」
その日の夜、竜司と詩織は偶然に街で出会う事になる。