幸せという病気




「会いたかったぁ!!茜ちゃん!!!」



「遥ちゃん・・・ごめんねっ・・・勝手にいなくなって・・・ホントにごめんね・・・」




茜が泣きながら、必死で想いを伝えると、遥も首を横に振って嬉しさと感動で涙を流した。




「ずーっと友達だからねっ!!茜ちゃんがどこにいようと、私はずっと茜ちゃんの友達だから!」



「うんっ!・・・ありがとぉ!!」








理由などいらなかった。

ただ会いたくて、ただ喜んで欲しくて・・・。

本当の思いやりを見つけた時、そこに理由など存在しないのかも知れない。

本当に人を大切に想う気持ちは、理由を付ける程、複雑では無いのかも知れない。

その時、誰がそう感じたわけでも無く、ただ真っ直ぐに人と向き合っただけの事。

けれどそこには、確かに存在する嬉しい涙があった。

それだけで、人には充分に伝わるものだと、幼いながらに二人は感じたのかも知れない。





そしてその日の夜。




「ねぇねぇ、茜ちゃん」

「ん?」

「その貝のネックレス可愛いねっ」

「これね、こっちに来てから自分で作ったの」

「えっ!すごーい!」

茜の部屋の布団の中、遥が、付けているネックレスに興味を抱くと、茜は一緒に作ってみないかと遥を誘った。

「遥ちゃんでも簡単に作れるはずだよ?」

「え!?ホントに!?じゃあ、もうすぐ弟が産まれるから、頑張ってってお母さんにプレゼントしたいなぁ」

「じゃあ明日、一緒に作る?」

「やったぁ!!」


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