幸せという病気
お母さん・・・ありがとぉ。
最高のプレゼントだよ・・・
神様に頼んでくれたんでしょ?
あと一週間、待ってあげて下さいって。
お母さんの所に行くまで・・・
あと一週間、世界中の誰よりも・・・
この命を、幸せに生きてみます。
四月十四日。
すみれはその日、武に妊娠十週目を告げた。
それを聞くと武は、新しい命を心から喜びながら、その一方で死への恐怖をよりいっそう募らせる。
その弱さにつけこむかのように・・・。
病が、武の体を全て奪い去ろうとしていた。
そして、ここから怒涛の一週間が始まる。