幸せという病気
第15章【幸せという病気】
第十五章 幸せという病気
四月十四日。
その日の朝、竜司は武の部屋を訪れていた。
「今日は、遥についてなくていいのか?」
「いや、今日は・・・大事な話が・・・」
そう言い、力の無い声で竜司が武の向かいに座ると、武はコーヒーを出しながら竜司を気遣う。
「なんかおまえ顔色悪いよな最近」
「・・・その事なんですけど」
「その事?」
武が聞き返すと、暗い顔で竜司は話し出した。
「最近、頭痛が激しくて・・・なんかちょっと心配なんです」
「病院行ったのか?」
「いえ・・・」
その瞬間、武の脳裏に、発作で倒れた瞬間の遥の映像が走る。
「・・・おまえ・・・幸せ病なんじゃねぇのか・・・?」
「・・・だけど・・・そうだとしても、なんで俺は遥に比べてこんなに症状が出るのが遅いんですか・・・」
「わかんねぇけど・・・ただちょっと思った事があってさ・・・遥が死にかけた時、夢ん中で母さんに助けられたって言ったろ?」
「はい」
「それで気付いたんだけど・・・」
「なんすか?」
「幸せ病って・・・治るんじゃねぇかな」
「・・・でもどうやって・・・?」
一瞬、フラットにした武の脳裏に真実が走り始める。
「遥が初めて発作で倒れた時・・・本当はおまえも病気にかかってた・・・幸せ病ってのは・・・タチの悪い潜伏生物みたいなモンでさ・・・」
「・・・はい」
「遥が病気で苦しむ姿を、一番傍で見てるおまえには・・・発作なんか、特に必要無いって事だよ」
「え・・・?」
四月十四日。
その日の朝、竜司は武の部屋を訪れていた。
「今日は、遥についてなくていいのか?」
「いや、今日は・・・大事な話が・・・」
そう言い、力の無い声で竜司が武の向かいに座ると、武はコーヒーを出しながら竜司を気遣う。
「なんかおまえ顔色悪いよな最近」
「・・・その事なんですけど」
「その事?」
武が聞き返すと、暗い顔で竜司は話し出した。
「最近、頭痛が激しくて・・・なんかちょっと心配なんです」
「病院行ったのか?」
「いえ・・・」
その瞬間、武の脳裏に、発作で倒れた瞬間の遥の映像が走る。
「・・・おまえ・・・幸せ病なんじゃねぇのか・・・?」
「・・・だけど・・・そうだとしても、なんで俺は遥に比べてこんなに症状が出るのが遅いんですか・・・」
「わかんねぇけど・・・ただちょっと思った事があってさ・・・遥が死にかけた時、夢ん中で母さんに助けられたって言ったろ?」
「はい」
「それで気付いたんだけど・・・」
「なんすか?」
「幸せ病って・・・治るんじゃねぇかな」
「・・・でもどうやって・・・?」
一瞬、フラットにした武の脳裏に真実が走り始める。
「遥が初めて発作で倒れた時・・・本当はおまえも病気にかかってた・・・幸せ病ってのは・・・タチの悪い潜伏生物みたいなモンでさ・・・」
「・・・はい」
「遥が病気で苦しむ姿を、一番傍で見てるおまえには・・・発作なんか、特に必要無いって事だよ」
「え・・・?」