幸せという病気
「だからすみれは何にも間違ってなんかないよ?誰だって内にこもって悩んだり、それが怖かったり・・・自分がわからなくなる事だって、嫌いになる事だってある・・・それは弱さって言うより・・・ホントは守りたい大切なモノがあるって事じゃないかなぁ。それが情けない自分でも、どうしようもない自分でもいい・・・」
「・・・うん」
その時、すみれの心は一つの決心へと進みかける。
「俺達は、弱いから強くなるんじゃない・・・」
「・・・」
「守りたいから・・・強くなるんだよ・・・?」
「・・・もう・・・泣けるから・・・ダメ・・・」
そしてすみれの心に、澄んだ水が流れ出した。
武が続ける。
「幸せ病だってさ・・・きっといつか終わる・・・俺が・・・絶対守ってやるから」
「・・・」
「・・・すみれも・・・産まれてくる子供も」
「・・・うん」
「・・・絶対、守ってやる」