幸せという病気
すみれが聞き返すと武は続ける。
「そう。教えなきゃいけない事もあるし、叱らなきゃいけない事もある。ただ、楽しむってのは一緒に遊ぶとかそんな甘いことじゃない。教える事も叱る事も、マジにぶつかって人間と人間とが楽しむ事だよ」
「それってどうしたら・・・」
「先生は子供が好きで教師になったんでしょ?」
「はい・・・」
「だったら大丈夫だよ・・・子供も命を持ってるから・・・子供だからって人の痛みくらいわかるもんだよ?」
「・・・」
「みんなわかってるよ先生の気持ち。先生がみんなを好きな気持ち。大事に思ってる気持ち・・・自分を好きでいてくれる人を、大事に思って悩んでくれてる人を困らせようとはしない。下からは上の目線じゃ見れないんだ。上にいる人が目線を下にして初めて、下の人の目線で解りあえる。ほらっ先生言ってたように子供は大人と違って素直だから、受け入れる事も早いはずだよ。子供をナメないで、大人は心で、全力で守ってあげなきゃ駄目だよ??」
「・・・また説教されたみたいです・・・」
微笑んですみれは下を向く。
と、その言葉で、話に夢中になっていた武は我に返った。
「あっ・・・すいません・・・」
「・・・ん~ん。ありがとう・・・」
「いや・・・」
武はすみれの『ありがとう』に少し距離が縮まったように感じた。
すると、
「・・・ございます・・・すいませんなんか・・・」
「いや、大丈夫です・・・てか、俺こそ・・・」
武にそう言われ、すみれは少しだけ自信を取り戻す。そして『ありがとう』は、心から出たものだった。
香樹は「関係ないね」と言わんばかりに、激辛カツカレーを意外と余裕で食べ、やがて三人はそのまま家へと帰った。
「そう。教えなきゃいけない事もあるし、叱らなきゃいけない事もある。ただ、楽しむってのは一緒に遊ぶとかそんな甘いことじゃない。教える事も叱る事も、マジにぶつかって人間と人間とが楽しむ事だよ」
「それってどうしたら・・・」
「先生は子供が好きで教師になったんでしょ?」
「はい・・・」
「だったら大丈夫だよ・・・子供も命を持ってるから・・・子供だからって人の痛みくらいわかるもんだよ?」
「・・・」
「みんなわかってるよ先生の気持ち。先生がみんなを好きな気持ち。大事に思ってる気持ち・・・自分を好きでいてくれる人を、大事に思って悩んでくれてる人を困らせようとはしない。下からは上の目線じゃ見れないんだ。上にいる人が目線を下にして初めて、下の人の目線で解りあえる。ほらっ先生言ってたように子供は大人と違って素直だから、受け入れる事も早いはずだよ。子供をナメないで、大人は心で、全力で守ってあげなきゃ駄目だよ??」
「・・・また説教されたみたいです・・・」
微笑んですみれは下を向く。
と、その言葉で、話に夢中になっていた武は我に返った。
「あっ・・・すいません・・・」
「・・・ん~ん。ありがとう・・・」
「いや・・・」
武はすみれの『ありがとう』に少し距離が縮まったように感じた。
すると、
「・・・ございます・・・すいませんなんか・・・」
「いや、大丈夫です・・・てか、俺こそ・・・」
武にそう言われ、すみれは少しだけ自信を取り戻す。そして『ありがとう』は、心から出たものだった。
香樹は「関係ないね」と言わんばかりに、激辛カツカレーを意外と余裕で食べ、やがて三人はそのまま家へと帰った。