幸せという病気
やがて、武と香樹が家に帰ってくると、今日の事を興味深そうに遥が伺う。
「お兄ちゃんっ、何喋ったのぉ~?」
「いや別に大した話じゃねぇよ」
武は邪魔くさそうに答える。
「告白した?」
「そんなのおまえ、まだ二回しか会ってないのに告るかよ」
「そんなの関係ないじゃ~ん!」
武とは逆に、遥は楽しそうに話す。
「遥みたいな子供にはわかんない話だって」
「あっそうですかっ」
「でも・・・」
「ん?」
「かわいかったなぁ~」
武がデレデレしながら言うと遥は、
「キモいよ・・・」
少し引いてそのままお風呂に入った。
そして運命は急速に動き始める。
やがて長い時間の中で、人々の命の時間は一気に圧縮されていく事となる・・・。