幸せという病気
みんなで旅行行った時。
「・・・私、もう悔い無いよ?」
「・・・おまえまたそんな事・・・」
「いいんだぁ・・・もう。私・・・この家族に生まれてよかった・・・すみれさん離しちゃダメだよ?お兄ちゃんをあんなに想ってくれる人これから多分いないよ?」
「・・・どーゆう意味・・・?」
「綺麗だし、もったいないよ絶対。それからおばあちゃんももう歳だし、家事手伝ってあげないと・・・それと、香樹はこれからどんどん大きくなるよ?大丈夫?」
「・・・大丈夫・・・だろ・・・」
「面倒見れるの?」
「・・・おまえが見ろよ」
「・・・私はもう見れないよ」
「・・・」
「私は・・・・・・死んじゃうから・・・」
あの時、俺ん中で一つの賭けがあったんだ・・・。
「・・・竜司には・・・ほんと感謝してるんだぁ・・・私なんかをさ・・・好きになってくれて・・・」
「・・・おまえだから好きになったんじゃねぇのか?」
「・・・最後に恋出来てよかった・・・抜けてるけど優しくて、大事に想ってくれて・・・今日は・・・楽しかったなぁ・・・こんな毎日が続けばいいのに・・・」
「・・・」
「・・・こんな幸せが毎日、毎日・・・変わらず続けばいいのにな・・・」
「・・・あぁ」
「死ぬのは・・・幸せの終わりって事なんだね・・・」
「・・・おまえ・・・俺の妹でよかったな」
「うん・・・でも、なんで?」
「・・・なんとなくだよ」
「・・・変なの・・・」
「もう寝ろ?」
「・・・うん」
なんとなくだって誤魔化したけどさ・・・。
俺がおまえの代わりになってやろうって・・・。
本気でそう思った。