幸せという病気



「・・・武・・・見つけたぞ?」

「お母さん!!お兄ちゃんを怒っちゃやだ!!」

「・・・心配するでしょ!!・・・どこ行ってたの・・・?」

「・・・ごめんなさい」

「・・・武・・・ごめんね」

「・・・お母さん!!」

「・・・ごめんね・・・ごめん・・・」

「お母さんもお兄ちゃんも泣いちゃやだぁ・・・」

「遥もこっちいらっしゃい・・・お母さんはね・・・?武も遥も・・・二人共大好き・・・二人共、大事な宝物だから・・・淋しくさせてごめんね・・・辛かったね・・・ごめんね?」







あれさ・・・夕方に縁側で寝てたら、夢を見てさ・・・。


夢?


遥が、どっか行っちゃう夢・・・。


・・・私が?








「じゃあ武も見つかった事だし、帰るか」

「あなた・・・忙しい時にごめんなさいね・・・?」

「いいから。たまには家族四人でこうやって帰るのも悪くないだろ」

「そうだね・・・もぅ~武っ!お母さん心配したんだからねぇ?で、武~。どこ行ってたのぉ?」

「・・・遥を探しに・・・」

「えぇ?遥ならここにいるじゃない・・・」

「お兄ちゃんっ。私ここにいるよぉ~?」










その夢で見た場所へ行こうと思ったらさ、なんか迷子になっちゃって・・・。


そうだったんだぁ・・・。










「僕・・・遥がいなくなっちゃう気がして・・・それで・・・」

「よしよし・・・もう泣かないのっ!男の子でしょ?」

「うん・・・」

「でもなんでそんな夢見たんだろうねっ?」









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