幸せという病気
「まぁ・・・まだどうなるかなんてわからない。実は夢を見たんだ。しかしワシの見た夢はここまでしか教えてくれなかったからなぁ」
「・・・こうなる事・・・わかってたのか?」
「あぁ。ここまではどーも正夢らしい」
「・・・もうわかんねぇのか?・・・その先・・・」
「わからん・・・だが、人が大量に死ぬ事はわかっている・・・」
「・・・そんな・・・」
「これを全て伊崎武に伝えろってな・・・夢ん中でどこの誰だかわかんねぇが・・・そう言われたんだよ。聞いた事あるような声だったがな・・・誰だろうなあれ・・・」
「ってか・・・なんで俺・・・?」
「知るかよそんな事」
「だからあの時、俺に変な話したのか・・・?」
「まぁな。なんだか気持ち悪くてよ」
「・・・俺だって変な親父にナンパされて吐きそうだよ・・・」
そのまま武は、黙ってフラフラ街を歩いた。
途中、自動販売機で缶コーヒーを買い、それを飲み干す頃、空はもう明るくなりかけていた。