幸せという病気
武が不思議に思い、何を探しているのかと聞くと、遥は笑顔で答えた。



「アルバム」



「アルバムって・・・」



「香樹が生まれた時の家族写真が見たいの」



急になんだと思いながらも、武は当時のアルバムを、しまっていた棚から取り出し遥に手渡す。

するとそのアルバムを、何も語る事無く一ページ一ページ、懐かしそうに遥はめくり始めた。


「どうしたんだよ」


優しい目をして眺めている遥に、武が少し困ったように問う。



すると遥は、写真をめくりながら打ち明けた。








「私、好きな人できた」









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