幸せという病気
「りゅ・・・竜司くんが今運ばれてきて・・・居眠り運転で事故を・・・」


「・・・何やってんだあいつはぁ!」


それを聞き、武が急いで部屋を飛び出していくと、遥は心配そうに無事を祈っていた・・・。



武は、手術室に入った竜司の容態を医師に問い詰める。


「どうなんですか先生!竜司は・・・」

「今は、なんとも言えません」


そう言い、医師が手術室に入ると、武は悔しさで壁を蹴り上げ、竜司の手術を待った。



一方、遥は・・・。



「おばあちゃん・・・私、今すごく思う事があるの・・・」


「ん?」



遥は祖母へゆっくりと話す。



「幸せ病ってね?倒れると・・・いっぱいいっぱい夢を見るんだぁ・・・」


「夢?」


「うん・・・でもなんか・・・その夢は現実と繋がってて・・・そこにはちゃんと私の意志が存在してるの・・・」


「・・・そう」


「だからみんなが話してる事とかがね?意識を失くしててもわかるんだよ?」


「不思議だねぇ」


「うん。不思議・・・でもそれって何か意味があるんじゃないかなって・・・」





「・・・」






「・・・って毎晩ね?・・・そうやって自分を慰めてる・・・」




「遥・・・」




「何かに少しでも希望見出さないと・・・消えちゃいそうで怖くて・・・」




「・・・」




遥が悲しい顔をすると、祖母が手を取り優しくギュッと握り締めた。



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