幸せという病気
次の日。
「香樹―。雪かきしよ、雪かき」
昨日から降っていた雪が積もり、辺りは一面真っ白だった。
「雪だるま作りたいー!!」
香樹が武にごねる。
「じゃあ、雪かき終わったらな?」
「嫌だー先に作るぅ」
「お姉ちゃん怒るぞっ?わがままばっかり言うと」
「・・・じゃぁ十一時に作ろっ?」
「よしっ。じゃぁ二時間雪かき頑張るぞ?」
「うん!」
約束通り、二時間程雪かきをすると、二人はやがて雪だるまを作り始めた。
そして、竜司と遥が助けた犬の名前は「伊崎ポチポチ」と名付けられる。
ありふれたポチという名を二つくっつけてみたらしい。
そのポチポチは、雪に戯れ、キャンキャンと吠えていた。
香樹が一人で懸命に雪だるまを作ると、ポチポチが走り回って壊す。
そのポチポチを香樹は怒りながら、追いかける。
そんな姿を武は嬉しそうに見つめていた。
疲れて家に帰ると、そこには新雪に二十七センチ程の足跡と、小さな足跡・・・そしてもっと小さな足跡がまばらに残っていた。
その一瞬一瞬の光景に人々は生きて存在し、やがて姿を消す。
そして明日になれば、そこにいたという証の足跡さえも消えてしまう。
ただ・・・それは人々の想い出として一生残る。
想い出に残せるという力があるのであれば、たくさん残せばいい。
そしてたくさん残せたなら、その想い出達には感謝しなければならない。
武は寝転びながら、すみれとの事を思い出していた・・・。
一方その頃、病院には竜司が来ていた。
「遥・・・明日籍入れようか」
「・・・」
遥は黙って本を読んでいる。
「・・・ねぇ」
「ん?」
「明日籍入れようかって・・・」
「・・・もうちょっと後に・・・しよ・・・」
暗い声で、遥は話す。
それについて竜司は聞き返した。
「香樹―。雪かきしよ、雪かき」
昨日から降っていた雪が積もり、辺りは一面真っ白だった。
「雪だるま作りたいー!!」
香樹が武にごねる。
「じゃあ、雪かき終わったらな?」
「嫌だー先に作るぅ」
「お姉ちゃん怒るぞっ?わがままばっかり言うと」
「・・・じゃぁ十一時に作ろっ?」
「よしっ。じゃぁ二時間雪かき頑張るぞ?」
「うん!」
約束通り、二時間程雪かきをすると、二人はやがて雪だるまを作り始めた。
そして、竜司と遥が助けた犬の名前は「伊崎ポチポチ」と名付けられる。
ありふれたポチという名を二つくっつけてみたらしい。
そのポチポチは、雪に戯れ、キャンキャンと吠えていた。
香樹が一人で懸命に雪だるまを作ると、ポチポチが走り回って壊す。
そのポチポチを香樹は怒りながら、追いかける。
そんな姿を武は嬉しそうに見つめていた。
疲れて家に帰ると、そこには新雪に二十七センチ程の足跡と、小さな足跡・・・そしてもっと小さな足跡がまばらに残っていた。
その一瞬一瞬の光景に人々は生きて存在し、やがて姿を消す。
そして明日になれば、そこにいたという証の足跡さえも消えてしまう。
ただ・・・それは人々の想い出として一生残る。
想い出に残せるという力があるのであれば、たくさん残せばいい。
そしてたくさん残せたなら、その想い出達には感謝しなければならない。
武は寝転びながら、すみれとの事を思い出していた・・・。
一方その頃、病院には竜司が来ていた。
「遥・・・明日籍入れようか」
「・・・」
遥は黙って本を読んでいる。
「・・・ねぇ」
「ん?」
「明日籍入れようかって・・・」
「・・・もうちょっと後に・・・しよ・・・」
暗い声で、遥は話す。
それについて竜司は聞き返した。