幸せという病気
「どうしたの・・・なんかあったのか?」


「もう・・・会わない方が良いと思います。俺、遥には・・・」



武は事情が飲み込めずにいる。


それは竜司の目が本気だったから・・・。




「いや・・・ちゃんと説明しろよ・・・わかんねぇじゃん」



武がそう言うと、竜司は下を向いて説明しだした。



「・・・今日、言われました。他にいい人見つけろって・・・」


「それだけか?別れるってのは・・・」


「・・・はい」




何かを隠すように竜司は答える。




「・・・嘘つくな」




武が、少し様子がおかしい事に気が付くと、竜司の目から我慢し切れず涙が零れ落ちた・・・。










「・・・俺がいると、あいつ死ぬんです・・・あいつが恐がってるのをもう・・・見たくない・・・俺と別れれば、病気だって治るかもしれない!なんで俺じゃないんすか・・・なんで俺はかかんないんですか・・・」





泣きながら、竜司は懸命に訴えかけた・・・。



すると武は、兄として、友達として話し始める。

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