龍の女神となるべき姫【上】
そのとき。
―――スタッ
小さな風が起こり、興奮していたみんなが一瞬で静かになった。
肩を抱かれ見上げると、総長の顔をした悠基がいた。
「俺は亜美以外、銀姫にふさわしい奴はいねぇと思う。
この中に、反対する奴はいるか?」
「「「そんなの1人もいないっす!!」」」
「「「みんな亜美さんに惚れました!!」」」
悠基は満足そうに微笑んだ。
「今日から正式に亜美は姫だ!!
おめーら、全力で守れ!!」
「「「うっす!!」」」
「……よし、解散」
……やばい。
ほんとに嬉しい。
逃げてきた私にできた、新しい居場所。
こんなにもあたたかい。