龍の女神となるべき姫【上】


「上行くぞ」




総長以外は先に幹部部屋へ行っていたから、総長が女性にそう言った。




……見惚れるような光景だ。



これ以上のお似合いは、いないんじゃないかと思う。




でも、何だか総長……。




『機嫌悪い?』




俺の気持ちを代弁したのは、意外にも女性だった。




「気のせいだ、ばーか」



「「「……!?」」」




本当に驚いた。



総長が自分から女に構うなんて。




あの女性は一体、何者なんだろう?



2人が消えた扉を見つめながら、俺たちはしばらく呆然としていた。


< 118 / 303 >

この作品をシェア

pagetop