龍の女神となるべき姫【上】
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「お入りくださいませ、お嬢様」
『ありがと』
私はメイドが開けてくれた応接間に、つかつかと入っていく。
1番に私に気づいたお父様が、目を細めて笑う。
「亜美、呼び立ててすまなかったね」
『全然。叔父さんが来てくれたんだもん』
イギリスから帰国した昨日から、ほんの30分ほど前まで眠りこけていた私に、お父様が気を遣ってくれる。
いやぁ、時差ぼけって結構辛いものだね。