龍の女神となるべき姫【上】
それから早くも立ち直った私は、みんなとおしゃべりしてた。
「ねぇ。
亜美って風龍の存在は知ってたんだよね?」
『うん。
1人1人の名前は知らなかったけどね』
「じゃあ、ここは知ってるかなぁ?
僕たちが憧れてる族なんだ。
やっぱ、亜美には知っててもらいたいし」
『どこ?』
「蝶凛!!」
『ちょ…うりん……?』
「うん。
族もすごいけど、総長の天姫はもっとすごいんだ」
私……がすごい?
「戦う姿が本当に綺麗なんだ」
「そうそう。
銀色の髪がキラキラ舞うんよな」
「水色の瞳も綺麗だよね」
私、って言うか、天姫の容姿は目立つから、外ではフードを被るようにしてる。
だから、私の姿をしっかり見たことのある人は少ないはず。
……噂で天姫の容姿は広まってるけど。
それなのに、どうしてそんなに詳しいの?