龍の女神となるべき姫【上】
『天姫に会ったことでもあるの?』
「あるよ!!
……って言うか、僕たちみんな救ってもらったんだ」
みんなの顔をまじまじと見つめる。
……全く覚えてない。
『救ってもらったって?』
「あのね。嵐龍って知ってる?」
!!
思い出した。
あのときの4人か。
『確か、急に凄まじく荒れた族じゃなかった?』
「そう……。
風龍は、嵐龍の生まれ変わりなんだ……」
「2代目まではいい族やってんけど、3代目の総長の人柄が、急に変わってしもてん」
「僕たちは嵐龍にいるのが嫌になったんだ。
でも、先代には恩があるから抜けられなかった……」
「けど、そこに現れた天姫が、1人で嵐龍を潰してくれてん」