龍の女神となるべき姫【上】
―――ギュッ
亜美に服の裾を掴まれた。
起きて……ねぇよな。
でも、
“ここにいて”
って言われてるみてぇで、少し嬉しい。
優しく指を外そうとしたが。
「!?」
こいつ……泣いてる。
さっきまでの笑顔は嘘かと思うほど。
寝てんのにひしひしと伝わってくるほど。
辛そうで、苦しそうで。
魘されてるこいつを守ってやりたくて。
「大丈夫だ……」
そう言いながら、ずっと頭を撫でてた。