龍の女神となるべき姫【上】
《……よくわかりましたね》
当たり前だっての。
これでも天姫の兄貴だし?
……関係ねぇな、うん。
《それほどの力をもっていながらNo.2を狙わないのは、なぜっすか?》
いろいろあるが、そんなん興味ねぇからだろうな。
他のメンバーも、肩書きなんざどうでもいいみてぇだし。
「だが、亜美のこととなると別だ。
何もしてねぇだろうな?」
《当たり前っすよ。亜美は銀姫ですから》
あぁ、それなら安心だな。
何たって 風龍の姫なんだから。
……って、姫だとぉー!?
「てめぇ、十分してくれてんじゃねーか!!」
《でも、俺らが守るからには絶対傷つけさせませんよ?》
ちっ。
何でこいつは、ここで俺が言い返せねぇほどの力を、本当に持ってんだよ。